大声注意すべき? 悩む居酒屋

新型コロナウイルスの都内の新規感染者が19日、534人となり、2日連続で過去最多を更新した。感染が急拡大する中、政府は飲食の際も会話時はマスクを着用することなどを呼びかけているが、東京都内に多くの店舗を展開する大手居酒屋チェーンには、利用客に今より厳しいルールを求めることにためらいもある。(古和康行、山口翔平)



 焼き鳥居酒屋チェーン「鳥貴族」では今年5月頃に営業を再開してから、アルコール消毒液やテーブル間の仕切り設置、従業員の検温などを徹底。政府の飲食店支援事業「Go To イート」が始まった10月からは、予約客が増え始めたという。その直後の感染拡大に広報担当者は「感染者の数によって売り上げは大きく変わる。先行きは見通せなくなるばかりだ」と不安を吐露。「現在の対策を続けながら、推移を見守りたい」とした。

 一方、都内に本部を構える別の飲食店運営会社の担当者は「コロナの存在を忘れてしまっているお客様もたくさんいた。拡大することは予想できた」と話す。

 同社が運営する飲食店では、入店時やトイレ使用後のアルコール消毒、向かい合っての着席の禁止、料理を取り分ける際には専用の箸を使用するなどのルールを設けている。入店時には、これらのルールを守ることに同意する書類にサインを求めるという徹底ぶりだ。ただ、マスクを外して大声で談笑する客の姿も目立っているという。

 この担当者は「Go To イートが始まって、感染防止に対する意識が緩んだお客様も多かったのではないか」と指摘。「大声で談笑するお客様には注意をするなど、さらに厳しいルールを設けることも検討しなければならないが、どこまでやっていいものか」と戸惑っていた。

■「忘年会 難しいかも」

 新宿区の繁華街・歌舞伎町はこの日、人通りが少なく、飲食店内も空席が目立った。ネオンを尻目に家路を急ぐ人も多かった。

 帰宅途中の新宿区、会社員男性(47)は、会社から大人数での飲食の自粛を求められているという。「感染が落ち着いてきている印象があったので、残念だ。今年は歓送迎会がなかったので、忘年会を楽しみにしていたが、難しいかもしれない」と話した。

 友人と待ち合わせをしていた文京区の20歳代の会社員男性も、「職場に高齢の人が多く、社内で自粛ムードが続いている」と明かす。

 社内研修のため、都内を訪れていた水戸市の30歳代男性は「歌舞伎町はもっと人通りが多いと思った。外食を控えているのだろう」。大人数での会食は控えるように会社から指示されているといい、「研修場所と宿泊先のホテルを往復するだけの生活になっている」とこぼした。

最終更新日:11/20(金)22:27 読売新聞オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6377090

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