クルマには「希望ナンバー制」(正式名称は希望番号申込サービス)が存在します。これはナンバープレートに一番大きく表示される4桁の数字について、1~9999の間で好きなものを選ぶことができるというものです。地域名表示・分類番号・ひらがなを選ぶことはできません。また、特定の番号に希望が集中した場合、そのナンバーを取得できる車両は抽選で選ばれます。
希望されることの多い番号は、縁起の良い数字のゾロ目やオーナーの誕生日のほか、「19=ジューク」「3298=ミニクーパー」など車名の読みにちなんだ数字、「1122=いい夫婦」「2525=ニコニコ」などの語呂合わせだといいます。
「希望ナンバー制」は、味気ないナンバープレートをセンスをアピールするアイテムに一転させることができる魅力的な制度なのです。
しかし、現在のところ制度の対象となっているのは普通自動車と軽自動車のみで、バイクは対象外です。
「バイクにも同様の制度があればいいのに……」と残念に思っているライダーも多いのではないでしょうか。
この記事では、バイクはなぜ「希望ナンバー」を取得できないのか、国土交通省 自動車局 自動車情報課に聞きました。
編集部「なるほど。希望ナンバー制がバイクに導入されていない理由は、ほかにもありますか?」
国土交通省「バイクは趣味性の高い乗り物であることや、数字の絡む車名が多いことから希望ナンバー制を導入すると、特定の番号に希望が集中し、抽選が多発することが予想されます。抽選が多発すると、最終的には払い出しできるナンバーが枯渇してしまう恐れがあります。」
編集部「例えば、ナンバープレートの桁数を増やすなどして、組み合わせが尽きないようにするというわけにはいきませんか?」
国土交通省「それは難しいと考えています。というのも、バイクのナンバープレートはクルマのものと比較して規定サイズが小さいのです。また、原付限定ではありますが、デザインの凝ったご当地ナンバーなんかもありますよね。現行のナンバー以上に数字や文字の記載量を増やすと、記載された情報がごちゃごちゃして視認しづらくなり、警察の取締などに差し支えると考えられます。」
編集部「今後、二輪車の台数がクルマに劣らないほど多くなることがあれば、バイクのナンバープレートにも希望ナンバー制が導入されることも考えられますか?」
国土交通省「1999年に希望ナンバー制が初めて導入された際、制度の対象となったのは普通自動車だけでした。その後、2005年に軽自動車も対象となりました。今後も制度の対象となる車両タイプが増減する可能性もあります。制度を維持する上で、施設投入費を回収できるほどの申し込み台数が見込めるのであれば、二輪車の希望ナンバー制導入も有り得ると考えます。」
レポート●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●モーサイ編集部
最終更新日:10/10(日)13:10 モーサイ