4日発足した岸田内閣は、「アベノミクス」を修正し、子育て世帯や中小企業への分配を手厚くする経済政策にかじを切る。格差を是正して中間層を拡大し、新たな成長につなげる。分配に必要な「果実」をどうやって生み出すのか、政策の実効性が問われそうだ。
賃金は伸び悩んでいる。安倍政権は「1億総活躍」「働き方改革」などの政策目標を掲げた。政府が賃上げの旗振り役となる「官製春闘」を始めた14年以降、賃上げ率は7年連続で2%を超えた。ただ、物価変動を加味した実質賃金は、前年を下回る年の方が多かった。
コロナ禍で影響を受けた人々への対策は早急に行う必要があるが、経済政策としては持続的な成長の実現を優先して進めるべきだ。本格的な分配政策は時間をかけて行う必要がある。
最終更新日:10/5(火)20:53 読売新聞オンライン