楽器ヤマハ悩ませる半導体不足

長引くコロナ禍で電子ピアノや電子ドラムなど電子楽器の販売が好調だ。ステイホームでの趣味として過去楽器に触れていた人や初めて楽器に触れる人まで多くの層が手軽に手に入れられる電子楽器を購入することが増えた。カシオ計算機や河合楽器など電子楽器メーカーがその恩恵を受けている。



 国内で電子楽器を扱うのはヤマハをはじめ、河合楽器やカシオ計算機、ローランド、コルグなどがある。アコースティックピアノだけでなく電子ピアノや電子管楽器などを生産するヤマハ、電子楽器のみを扱うローランドから電子楽器のなかでも電子ピアノを主力とするカシオ、河合楽器など得意とする領域は異なる。

悩んでいる企業はヤマハだけではない。カシオなども今期から徐々に半導体不足の影響を受け始めている。だが、ローランドは今下期分の半導体在庫を使い機動的な増産に取り組んでいるなど、対策がうまくいっている。こうした背景からローランドや河合楽器は期初から2021年度の業績見通しを引き上げる一方、見通しの不透明感からヤマハは上方修正に踏み切れなかった。

 BCNが2021年8月に発表した2021年上半期の電子ピアノ実売台数ランキングによると1位はカシオのPriviaシリーズだった。ヤマハ製品は2位、3位に入るものの、10位までにヤマハ製は3製品のみだった。

管楽器の売上の多くが学校など教育向け需要に支えられているヤマハにとっては苦しい状況が続く。

 今年の夏の高校野球では8月22日からブラスバンドの応援が消えたことが話題を呼んだ。コロナの感染再拡大により吹奏楽部が入場できなくなったのだ。

 このように、国内外で学校での部活動やブラスバンドや楽団の活動は再開しつつあるものの一進一退の状況だ。管楽器の需要は学校など教育関連の顧客に支えられている。業績の完全回復には学校活動が正常化することが必要だが、今は難しい状況だ。

最終更新日:9/22(水)15:21 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6405113

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