大阪王将 町中華の味を継いだ訳

8月22日、東京都武蔵野市緑町に「大阪王将 武蔵野緑町栄楽店」がオープンした。

 大阪王将は大阪市淀川区に本店を置くイートアンドホールディングス傘下の株式会社大阪王将が運営する中華料理チェーンだ。全国に400店以上を構えるほか、大阪王将のブランドを冠する「羽根つき餃子」などの冷凍食品でも知られる存在だ。



 ただ、栄楽店は通常、街で見かける大阪王将の雰囲気とは一線を画している。単なる新店舗ではない。

■大阪王将が町中華の名店の味を受け継ぐ

コロナ禍で「町中華」の閉店ラッシュが起きている。昭和の時代から長く続く個人経営の中華料理店である。

 帝国データバンクが今年1月に発表した調査によると、2020年(1~12月)の飲食店事業者の倒産は780件発生し、過去最多の水準となっている。そして、そのうち13.5%を占めるのが「中華・東洋料理店」(105件)である。「町中華」はまさにここに当てはまる。

 厚生労働省の2016年の調査によると、中華料理店の68%は個人経営で、経営者は60~69歳が30.6%(50歳以上で74.3%)を占める。中でも、後継者がいない店は69.1%もある。

さらに、町中華を継承するには大きなハードルがある。

 町中華はその味だけでなく、人と人とのつながりで成り立っている部分が大きい。常連客が通う理由としては、味がおいしいことと同じぐらい「店主に会いに行く」という側面がある。店の看板メニューをレシピどおりに作っても、店主がいないお店に常連客が通い続けるかは別問題だ。

 外食チェーン店は決められたオペレーションで接客・調理をすることが求められるが、例えばラーメン店の事業承継においては、こういった課題を解決するために、店主がすぐには退かず、しばらくは店に立つなど、のりしろ期間を設ける場合もある。

最終更新日:9/12(日)12:43 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6404248

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