コメダ一人勝ち ルノアールの策

誰もがよく利用する喫茶店。待ち合わせに使ったり、仕事や勉強に使ったりと用途はさまざまだろう。だがその形態もコロナによって変わりつつある。日本フードサービス協会加盟調査員がまとめた喫茶業態の7月度売上は、前年同月比5.8%増。多くの店が営業を再開したものの、コロナ前の2019年対比では27.9%減と復活にはまだ遠い。



 1964年に創業した老舗の喫茶店チェーン「銀座ルノアール」はテレワーク・リモートワーク支援のための「ビジネスブース」を開設し始めている。ホテルのロビーのような高級感のある店内で、都内だと知名度も高い銀座ルノアールだが2020年の決算では赤字転落した。

 株式会社銀座ルノアール営業部部長・小林総一郎氏に、新しいサービスでもあるビジネスブースや今後の展開について聞いてみた。

ちなみに、ビジネスブースではポイントカードも配布しているようだ。

「ビジネスブースによく来てくれるお客様に還元したい気持ちから、7月にポイントカード配布を始めたのですが、おかげさまで少しずつビジネスブースの常連のお客様もできました。これまでのお客様は40~60代がメインでしたが、今は20~60代と幅広くなっています」

 これまで好調だった喫茶店チェーンだがコロナ禍での売上の明暗が分かれた。コメダ珈琲は2020年2月期決算短信だと31億2190万の黒字となり、給仕などすべて行うフルサービス型のなかで一人勝ちしている状態だ。一方で、銀座ルノアールは2020年に経常損失を出したが、2022年3月期第1四半期の決算は9400万円と黒字に浮上している。

「2020年は銀座や新宿などの繁華街地区で、全社的な休業となりました。さらに貸会議室も約2か月弱の休業となったのです。浮上した理由としては2021年1~3月に12店舗撤退による固定費の削減が、前年比較で利益の増加に寄与しているのだと思います」

銀座ルノアールでは接客の強化とともに、お客さんからの声も大切にしている。ビジネスブースを利用するお客さんにアンケートを実施して、「この立地に出店して欲しい」「防音をもう少しして欲しい」などさまざまな声を集めているという。コロナ対策に関してもお客から何か声があったのだろうか?

「衛生面に関してお客様の要望はほとんどありませんでした。換気やアルコールスプレー対策もしていますので、今のままで満足されているのかな? と思っています。それよりも『椅子をもうちょっとこうして欲しい』『ブランケットのようなものが欲しい』などの声がありました。お客様の声を聞きながら、徐々に改善していきたいと思います」

 現在、西日暮里第一店を含めて都内を中心に11店舗展開しているビジネスブース。今後も店舗数を増やすのか。

「できるだけ増やしていきたいです。ただ既存の店舗だと、消防法の制約があり、全店舗にビジネスブースを作ることができません。そのため、消防法にかからない店舗から増やしたいと考えています」

最終更新日:9/6(月)11:38 bizSPA!フレッシュ

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6403717

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