競技用車いす開発 格好良さ追求

【支える人(13)】車いすマラソンの喜納らが使用した競技用車いす=レーサーの「翔(かける)」は自動車メーカーのホンダが開発したものだ。他社製レーサーと性能を競い合うだけでなく、特徴的なのは車体の美しさ。開発を担当した本田技術研究所の高堂純治さん(62)は「乗りたくなるレーサーを目指した」と話し、世界で飛翔する姿を頭に思い描いている。

 同社がレーサーの開発を本格的に始めたのは1999年にさかのぼる。障がい者を雇用する大分の関連会社の従業員が「自ら作ったレーサーでレースに出たい」という思いで車いすレーサーを作り始めたことをきっかけに、F1マシンやHondaJet開発で培ってきた技術などを応用しながら、プロトタイプのフルカーボンレーサーを実戦投入した。

 「勝利の笑顔をアスリートに届ける」というコンセプトの下、「翔」はレーサー制作20周年記念モデルとして開発がスタート。特長はフルカーボンで軽量なことはもちろん、旗艦モデルは通常外付けとなるステアリングダンパーと呼ばれる振動制御装置をフレーム内に格納したことで、美しいフォルムが完成した。高堂さんは「これはホンダ独自の技術。見た目も格好良くしたかった」と胸を張った。

 高堂さんには東京大会を通じて「車いすレースをもっと楽しく格好いいスポーツにして広めたい」という思いがある。そのためには誰もが乗りたくなるような「格好いいレーサー」が必要だった。「レースを見る子供たちを含め、みんなが乗ってみたいと思うレーサーを作っていきたい」。今後も継続してより良いレーサーを開発、提供していくつもりという。=おわり=

最終更新日:9/7(火)0:39 スポニチアネックス

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6403705

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