大韓航空 アシアナを買収決議

【ソウル=建石剛】韓国の航空最大手の大韓航空を傘下に置く韓進(ハンジン)グループは16日、同国2位のアシアナ航空を買収すると発表した。買収資金を調達するため、政府系の産業銀行が8000億ウォン(約754億円)の第三者割当増資などを引き受ける。新型コロナウイルスの感染拡大で航空業界の苦境が続く中、政府主導による大型航空会社が誕生することになる。

 産業銀によると、国際航空運送協会(IATA)の2019年の旅客と貨物の運航実績では、大韓航空とアシアナ航空の分を単純に合算すると世界7位の規模となる。産業銀は、両社が傘下の格安航空会社(LCC)3社を段階的に統合することも明らかにした。

 アシアナ航空は、資金繰りの悪化で昨年4月に売却が決まったが、建設大手との買収交渉は、世界的な感染拡大による業績低迷などで破談になった。韓国の国土交通省は16日、「同業の大韓による買収は、航空産業の危機克服と発展の機会になる」と歓迎する談話を発表した。

 大韓航空は貨物路線が経営を下支えし、コロナ禍でも2四半期連続で黒字を確保した。ただ、ウイルスの影響は長引いており、今後の経営は見通せない。聯合ニュースによると、アシアナ航空は今年6月時点で11兆5400億ウォン(約1兆887億円)の負債を抱えており、大韓航空の経営基盤が揺らぐ可能性も指摘されている。国内上位2社の統合となることから、公正取引委員会による買収承認も今後の焦点となる。

最終更新日:11/16(月)22:00 読売新聞オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6376652

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