東京オリンピック期間中(7月23日~8月8日)、東京都内の首都高速道路での渋滞が最大で96%減少したことが警視庁のまとめで判明した。警視庁は、選手や大会関係者がスムーズに移動できるように一部の入り口を閉鎖したことや、午前6時~午後10時に料金を1000円上乗せする「ロードプライシング」などに一定の効果があったとみている。
警視庁は、渋滞の距離と時間を掛け合わせた「渋滞長時間」について、新型コロナウイルス流行前の2019年7月と8月のそれぞれの平日、土曜、日曜祝日の1日平均と、期間中の各日を比較した結果、首都高では17日間すべてで減少した。減少率は68~96%で、土日祝日は88~96%と高かった。
一方、東京23区内の一般道も、17日間中11日間で減少した。減少率は2~48%で、開会式直後の7月24~25日の2日間は40%台だった。首都高を避けた車が増えることによる渋滞が懸念されていた一般道も、混雑は限定的だったとみられる。
警視庁は期間中、首都高で、坂の傾斜やカーブの程度などから渋滞が起きやすい19カ所について、付近の交通量を常時確認し、渋滞の発生が予想される場合には前後の入り口を閉鎖するなどした。一般道でも、約8000カ所の信号を集中制御し、交通量が増えれば青信号の表示時間を長くするなどして混雑緩和を図った。
警視庁幹部は「選手らの輸送に関して警察に求められた役割は果たせたと思う。パラリンピックにも緊張感を持って臨みたい」と話している。首都高のロードプライシングは9日でいったん終了するが、パラリンピック期間中の今月24日~9月5日にも実施される。【斎藤文太郎】
最終更新日:8/9(月)16:43 毎日新聞