男性のメイク 想定外の需要も

たっぷりの化粧水をつけ、ファンデーションで肌の色を整えているのは…男性。女性と同じようにメイクをする男性が今増えています。

 生活雑貨店の売り場には、男性専用の化粧品コーナーも…。

梅田ロフト 健康雑貨チーフ 小菅さん:
「お肌の色ムラをカバーするクリームや、ポイント的にカバーできるコンシーラーなどを買っていく方が多いです。売り上げはどんどん伸びてきています」

 男性化粧品の市場は右肩上がりに拡大していて、今年度は1200億円を超え過去最高となる見込み(富士経済調べ)。男性メイクの専門誌も登場するほど盛り上がりを見せています。

 ついに男性も美に投資する時代に…。イマドキの男性メイク事情に迫ります。

■メイクで自信を…キレイになりたい男性も

薄田ジュリアキャスター:
「大阪市内の美容スクールに来たんですが、レッスンを受けているのは女性ではなく男性なんです」

 今年2月から、この美容スクールで新たに始まった男性向けのメイクレッスン。手軽なお試し体験のほか、日常的にメイクするための基礎を学ぶことができます。

 この日が2回目のレッスンだという電機メーカー勤務の平野さん(31)。肌の荒れやすい体質に悩まされ、自己流のメイクを続けてきたそうです。コンプレックスを和らげ、自分に自信を持つための手段としてメイクは欠かせないといいます。

平野さん:
「やっぱり肌のトラブルあると人前で気にしてしまって。それをカバーできると自信満々じゃないけど、堂々と話せたりするのかなというのはありますね」

 自前のメイク道具を見せてもらうと、女性顔負けのアイテム数。毎月の化粧品代は8000円ほどだそうですが、平野さんの奥さんも好意的にとらえているようです。

平野さんの妻:
「メイクをしてる時の方が印象良かったのでアリだなと。私のメイク時間を待ってくれて、美容にお金かけるのも応援してくれるのでありがたいです」

 そして、街でメイクをしているという男性に話を聞くと…。

20代専門学生:
「ファンデーションと顔の保湿クリームを。前向きに女性との距離が縮まったりするので、変わったところを褒められることもあって、気付いてくれるところがうれしいです」

 若者世代を中心にファッション感覚としても受け入れられつつある男性メイク。その中には、K-POPアイドルに憧れを抱き、メイクを始める若者も少なくないそう。韓国コスメ店には、メイクをマネするようになったという男性店員も…。

コスメティックSAMI 森浦さん:
「赤いアイシャドーとかは韓国の男性アイドルを見て、自分なりにやってみました。メイクすると気持ちが変わります。自信につながりますね」

 今や女性だけでなく男性にとっても、メイクアイテムは「なりたい自分になれる」魔法のツールとなっているようです。

■ミドル世代もメイクに興味…コロナ禍ならではの理由も

 大手化粧品メーカーも男性向けの商品を次々と発売。メンズブランドの専門店もできていて、ファンデーションやコンシーラー、アイシャドーにマニキュアなど、女性ものと比べても遜色なし。また、男性用ならではの特徴も…。

ファイブイズム バイ スリー 橋本さん:
「握りやすくて男性がひげを剃るような感覚で使っていただけるように、うちの商品は全部バータイプで作られているのが特徴です:

 さらに発売から80万個以上売れ、大ヒット商品となっている男性用の美容クリームは、意外な世代にも人気のようで…。

資生堂 ウーノ担当 林さん:
「もともと10代から30代くらいの方が使ってくださるのかなと思っていたんですけど、4割近いお客様が40代以上ということで、そこは想定外でした。やっぱり印象を変えたいと思っている方が多くいるんだなと」

 数年前から化粧品を使い始めたという50代の男性は…。

50代貿易業:
「保湿の乳液とか、目の周りのシワをなくすクリームとか。カサカサしてたんで、それはちょっとなくなった感じ。年齢よりも若く見られたいですけどね、そりゃ」

 メイクをしていない人でも、最近気になることが…。

30代法律事務:
「マスクしたので吹き出物とかが出来るようになりました。リモートワークで自分の顔が映った時に、ひげが伸びてるとか肌荒れてきてるなとか気になったりしますね」

 コロナ禍での働き方の変化で、身だしなみを意識する人が増えているようです。

 ちなみにオンラインでの面談で、メイクをした場合としなかった場合に相手に与える影響を検証した資生堂などによる実験では、メイクをした場合、脳波はリラックスした状態を示し、心拍数も低下。相手に安心感を与えていたそうです。

資生堂 ウーノ担当 林さん:
「メイクをして自信を持って話している男性を見ることで、『この人余裕がありそうだな』であるとか、『自信を持って話しているな』っていうところで、受け手もリラックスして話を聞けたという結果かなと」

■メイク初体験の45歳男性…その仕上がりは

 一方、男性向けのメイクレッスンを始めた大阪市内の美容スクールに戻ると、また新たに男性がやってきました。

 大阪市内で古着店を経営する45歳の辻野さん、この日がメイク初体験です。

辻野さん:
「やっぱり30代の時と写真で見たら違うなというのはありますね。あの頃のハリはない…。正直そんなにスキンケアもしたことないので、することで何か変わるんかなと」

 接客業のため、見栄えを良くして明るい印象にしたいという辻野さん。疲れた印象を持たせるクマをさりげない自然なメイクで和らげていきます。どう変わったのでしょうか…。

講師 しのぶさん:
「目元と鼻まわりに少し赤みがあったのでそれを抑えました。印象は肌のムラがなくなって、くすみがとんだ感じ。目元の位置が上がって見えてると思います」

辻野さん:「そうなんですね…」

薄田キャスター:
「本人が自覚されないほど、違和感がないということですね(笑)ナチュラルでちょっとでも好印象に感じてもらえるといいですよね」

辻野さん:
「お客さんへの印象アップでリピートにつながれば、続けていきたいですね」


(関西テレビ11月10日放送『報道ランナー』内「知っトク!ニュースなオカネ」より)

最終更新日:11/15(日)7:08 関西テレビ

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6376542

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