国土交通省は高速道路について、混雑時に値上げする変動料金制度「ロードプライシング」を本格的に導入する検討に入った。繁忙期に休日割引の適用をやめるなど、いまの料金の仕組みを大きく見直す。
26日にあった有識者らの会議に国交省が示した中間答申案に盛り込んだ。ロードプライシングは、混雑が激しくなりそうな道路や時間帯で料金を上乗せする。料金を安くする時間帯もつくり、利用者を分散して渋滞を減らす。東京五輪・パラリンピックの期間限定で首都高で実施している。期間中は日中から夜間は乗用車は1千円値上げされ、深夜から未明は半額になる。
大都市圏の渋滞区間で、時間帯や曜日を区切って導入を検討する。混雑状況に応じて機動的に料金を変えることを想定している。具体的な区間や時間帯、金額は今後つめる。中央自動車道の小仏トンネル付近や東京湾アクアラインなど混雑がめだつところで、2022年度以降に休日に試行することが考えられる。
値上げする時間帯に定期的に通過せざるを得ない利用者からの反発も、予想される。割り増しによる収入で、車線増設などの渋滞対策をすることを検討する。
繁忙期の渋滞緩和のため、大型連休やお盆などに休日割引の適用をやめる。深夜割引は利用時間の一部が適用内なら全体的に割引されるため、パーキングエリアでのトラックの待機などが問題となっていた。適用時間帯を広げ、その時間の走行分だけ割引するようにする。
答申案では、法律で定める2065年までの無料開放について、延期する方針も示した。国交省は具体的な時期を法律から外そうとしているが、「将来的に無料開放する原則は維持している」と主張する。利用者負担を基本とし、現在無料の区間を原則有料に切り替える方針も示した。有料化は地域ごとに並行する一般道路があるかどうかなどを考慮し、個別に決めていく。(山本孝興、友田雄大)
最終更新日:7/27(火)7:26 朝日新聞デジタル