ボーイング なぜ今も操縦かん

旅行や出張でジェット旅客機に乗客として乗ったことがある人は多いでしょう。そのとき、多くの場合、2大メーカーのボーイングかエアバスの機体に乗ることになります。この2大メーカーの旅客機は、自分がお客さんとして乗る分には大きな違いを感じないかもしれませんが、パイロットの視点で見ると設計思想が大きく異なります。
エアバスの最新機種は「サイドスティック」という操縦装置を利用していますが、ボーイングは最新機種のB787でも操縦桿を採用しています。

このように、サイドスティックは万が一の場合、パイロットに有害な影響を与えるインタフェースとなる可能性があるため、どちらの手でも操縦可能な操縦桿を残したと思われます。

■ボーイングとエアバスの設計思想の違い

 また、ボーイングは「飛行を制御する最終的な権限はパイロットにある」という設計思想です。一方のエアバスは「飛行を制御する権限は、通常の運用限界範囲内においてのみ」という設計思想です。つまり、エアバスは「パイロットといえども運用限界を超えて飛行する権限はない」と考えていることになります。

エアバスA350の場合、パイロットによる操作信号は主飛行制御コンピュータ(PRIM)に直接入力されます(図2)。一方、ボーイング787の場合、パイロットの操作信号は、まず舵面アクチュエーターを制御する装置(ACE)に入ります(図3)。主飛行制御コンピュータ(PFC)は、ACEからの操作信号をもとに、舵角を算出してACEに返します。ACEは、その舵角になるように各舵面を作動させています。

 このように、わざわざ演算部門と制御部門に分けているのは、最終的にはパイロットがコンピュータを介さず直接アクチュエーターを制御して舵角を自由に決められるようにするためです。

最終更新日:7/25(日)14:01 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6399677

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