長く構造不況に苦しんできた日本の造船業界に、ようやく薄明かりが差してきた。
「中国や韓国の造船所の船台(ドック)が埋まっている。船価アップを図りながら受注を伸ばしたい」
7月12日、都内で会見した業界最大手・今治造船の檜垣幸人社長はほおを緩ませた。
今治造船の手持ち工事量は7月時点で、適正水準とされる2年分を超え、2.5年分近くに積み上げている。業界2位のジャパン マリンユナイテッド(JMU)も同様に受注量を増やしており、業界にとっては久しぶりに明るい話題が続いている。
ただ、ここに来て、遅ればせながら進めてきた業界再編の動きがようやく実を結び始めている。
国内1、2位の今治造船とJMUは資本提携を結び、2021年1月に営業・設計を行う合弁会社「日本シップヤード」を設立。両社は日本シップヤードの設立前からすでに共同受注に取り組んでおり、2020年12月には「オーシャンネットワークエクスプレス(ONE。川崎汽船と商船三井、日本郵船のコンテナ船事業統合会社)」が傭船予定の世界最大級の超大型コンテナ船6隻を共同受注した。
最終更新日:7/23(金)6:31 東洋経済オンライン