独立行政法人が発注した医療用医薬品の入札をめぐる談合事件で、独禁法違反(不当な取引制限)罪に問われた医薬品卸大手3社と元幹部ら7人に対する3件の判決公判が30日、東京地裁であった。
平出喜一裁判長はスズケン(名古屋市)と東邦薬品(東京都世田谷区)に罰金各2億5000万円(求刑罰金3億円)、須田雄一裁判長はアルフレッサ(千代田区)に罰金2億5000万円(求刑罰金3億円)を言い渡した。
7人については、スズケン元病院統括部長中原岳志被告(61)が懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)など、全員が執行猶予付きの有罪とされた。
いずれの判決も、談合を自主申告したため立件が見送られたメディセオ(東京都中央区)を含む4社による受注調整について、医療機関への医薬品販売価格を高止まりさせるなど「国民生活に広範な影響を及ぼし、悪質かつ重大だ」と非難。4社は過去に談合で課徴金納付命令を受けており、「根深い談合体質だ」と言及した。
元幹部ら7人については、談合に深く関与する一方、個人的な利益を得ておらず、捜査に協力して反省も示しているとした。
判決によると、中原被告ら7人は共謀し、2016年6月と18年6月、独立行政法人「地域医療機能推進機構」が運営する全国57カ所の病院用に発注した医療用医薬品の入札で、事前に受注比率を設定し落札者を決めるなどした。
最終更新日:6/30(水)22:56 時事通信