豆乳の国内生産量が、2020年まで10年連続で過去最高を更新している。タピオカのような全国的なブームは近年起きていないのに、なぜなのか。製法の改良に加えて、「そのまま飲む」以外の楽しみ方が広がっていることも理由のようだ。
日本豆乳協会によると、昨年の国内生産量は約43万キロリットルで、この10年で約2倍に増えた。大豆と水で作る豆乳は、植物性たんぱく質やイソフラボンなどの栄養素が魅力で、健康志向の強い人が好んで飲んでいるという。
かつて豆乳にもブームはあった。第1次ブームは1983年ごろ。「健康によさそう」という漠然としたイメージで注目されたが、当時は大豆の青臭さが強く、ブームが去ると長い低迷期に入った。第2次ブームは2005年ごろ。テレビの情報番組の影響もあり、イソフラボンがもてはやされたが、このブームも長くは続かなかった。
その後は、ブームと呼ばれる大きな山はない。それでも需要拡大が続く背景には、原料の鮮度管理や製法の改良で、大豆の青臭さやえぐみが抑えられて飲みやすくなったことがある。さらに、別の風味と組み合わせたり料理に活用したりと、使い道の幅広い食材として発展を遂げたのだ。
最終更新日:6/13(日)16:28 朝日新聞デジタル