車の個人間貸出 勝手に売却多発

個人間カーシェアリングサービスを介した「乗り逃げしたクルマを勝手に売却する」事件が2021年に入ってから未遂を含めて急増しています。
 
 今までにない斬新で巧妙な手口とは、どのようなものなのでしょうか。

エニカなど個人間カーシェアの利用者は合計で約50万人(オーナー+ドライバーの合計)といわれ、年々増加傾向にあります。

 筆者もエニカのドライバー登録をしていますが、登録の際には24時間以上の時間をかけた厳重な審査があり、レンタカーのように免許証やクレジットカードなどを提示すれば誰もが簡単にクルマを借りられるわけではありません。

 今回、個人間カーシェアでクルマ持ち逃げ(未遂含む)されたオーナー6名や、犯罪に加担してしまった「借り子」「受け子」のドライバーにも取材をすることができました。

 取材に協力いただいたオーナーやドライバーが考える「気を付けるべきこと」とは、どのようなものなのでしょうか。

 ●オーナーが気を付けること

 ・利用登録して日が浅い。レビュー評価は「新規」または「評価5以下」
 ・短期間で1000万円以上の高級車ばかり借りている(事前調査と評価獲得が目的)
 ・問い合わせのDMで走行距離やオプション装備、購入時期などを聞いてくる。(ジモティーなどに出品する際の情報として記載するため)
 ・ドラレコの有無を確認する。(とくに、「車内にドラレコがついているか?」を聞いてきたら危険)
 ・1回目借りたあと10日から2週間で2回目を借りる。(1回目でオークションなどに出すための写真撮影、車検証の情報を取得し免許証などを偽造)
 ・車検証をクルマに「積んでいるか?どこにあるか?」など聞いてくる。
 ・問い合わせしてくるドライバーと実際に予約をしてクルマを借りるドライバーを別に設定している場合も多々ある。
 ・不審な問い合わせのあと数日以内に不審なドライバーからの予約が入ったらかなり怪しい。
 ・エニカで問い合わせをしたあと、「あなたに2倍のシェア料金を支払うからエニカを通さず貸してほしい」と依頼してくる。
 ・利用希望日が直前(1、2日前)である場合が多い。
 ・シェア中に、日程の延長を要望してくる。

●知らずに犯罪に加担している可能性

 ・Twitterなどで募集されている「高額報酬ドライバー」に注意。
 ・報酬は1日3万円から7万円。「カーシェア利用調査を目的としたアルバイトです。こちらが指定したクルマのオーナーからクルマを借りて指定場所に運んでください」などを業務内容として募集。
 ・指示役との連絡はLINEやTwitterのDMではなく、「Telegram(テレグラム)」や「wickr(ウィッカー)」など「犯罪者御用達」ともいわれる秘匿性の高いチャットアプリを使うよう指示される。
 ・オーナーへの問い合わせメールは定型文をアレンジして使うよう指示。
 ・クルマを受け取ってすぐに「車検証の写真を撮って送ってください」といわれたら詐欺に加担している可能性が高い。
 ・クルマを指定の駐車場に駐めて電車で移動するよう指示される。(その後、もうドライバーは用済み。報酬も払われず、指示役との連絡も遮断される。最悪、クルマの代金数百万円を支払う羽目になる)。

※ ※ ※

 なお、エニカ事務局は2021年6月5日にアプリを通じて登録オーナーに対して車検証の扱いについて注意喚起をおこないました。

 しかし、犯行グループが免許証偽造などのために抜き取る情報は車検証以外からも入手が可能です。

 オーナーができる自衛策として、車検証(原本でもコピーでも)をはじめ、オーナーの住所や本名、車台番号がわかる書類(車検証、自賠責保険証書、整備記録簿、ETC車載器に関する書類など)は分かりやすい場所に置かないことをお勧めします。

最終更新日:6/7(月)17:35 くるまのニュース

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6395406

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