テレワークに格差 非正規の嘆き

緊急事態宣言が出て正職員は在宅勤務しているのに、非正規の私たちは出勤させられる―。広島県内の非正規労働者から「テレワーク格差」を訴える声が上がっている。出勤が嫌なら辞めろと言われたり、有休を使えと求められたり。国は出勤7割減を目指すが、「非正規」のテレワーク経験は「正規」の半分以下とのデータもある。不公平さがコロナ禍でより際立っている。



 編集局に寄せられた匿名のはがきには「出勤が嫌なら辞めろという環境。私たちにも家族がいて感染が怖いのに」とつづられていた。差出人は国の出先機関に勤める非正規公務員。在宅勤務中の職員の仕事まで負担させられ、納得がいかないという。

 働き方の選択肢がないことへの不満はあちこちに渦巻く。「うちの職場も同じ」と話すのは県東部で相談員をする50代女性。正職員は分散勤務を指示されたのに、非正規への声掛けはない。抗議すると「家にいたいなら有休を使って」と返された。家で仕事がしたいだけで、休みたいわけじゃない。あきれて言葉を失った。

内閣府の昨年末の調査によると、テレワークをしている人の割合は、年収300万円未満では12・7%だったのに対し、年収1千万円以上は51・0%。テレワーク経験があると回答したのは正規42・2%、非正規18・0%だった。厚生労働省は今年3月に出した指針で、テレワーク導入について雇用形態で差別しないよう促すが効果は不透明だ。

 非正規労働者の問題に詳しい広島弁護士会の寺本佳代弁護士は「テレワーク可能な仕事なのに非正規というだけで認めないのは、不合理な待遇差として法律違反の可能性がある」とみる。一方で「非正規はもともとテレワークができない業務が多く、雇い止めへの不安から声を上げにくいという構造的な問題がある」と指摘している。

最終更新日:6/6(日)14:20 中国新聞デジタル

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6395328

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