2022年卒業の学生らを対象にした採用面接が6月1日に解禁され、就職活動が本格化している。しかし、コロナ禍の就活生はこれまでにない課題に直面している。
それは採用面接で最もよく質問される「学生時代にがんばったことは何ですか?」といった質問に対し、うまく合致する経験がないということだ。
「学生時代に力を入れたこと」は、就活生には「ガクチカ」と呼ばれ、面接で最も定番の質問とされる。
コロナ前までの「ガクチカ」は、サークルや部活、アルバイト、学園祭、留学などがほとんどだった。ところが、コロナ禍で大学生活が大幅に制限され、こうした活動が中止に追い込まれた経験を持つ就活生も少なくない。
現在就職活動中の大学4年生や、就活のために今から長期インターンに参加しているという大学3年生らに話を聞いた。
就職活動を来年に控えた2023年卒業の大学3年生も、就活に危機感を覚えている。
都内の国公立大学3年のKさん(女性、20歳)は、ボート部に所属しているが、年5回以上あった大会は全ての中止・延期になった。そこでKさんは、大学2年の6月から、人材系企業での長期インターンを始めた。
「体育会ブランドは就活での武器でした。それが休みになり『就活どうしよう』と、同期の部員とも話していました。長期インターンで経験を積むことは、体育会ブランドが使えない中でのガクチカ対策でもあります」
長期インターンでは、自宅から企業へアポ入れの電話を掛けるのが主な仕事という。
「部活や通学もなくなり、普段会話するのが、バイト先のオーナーだけという時期もありました。社会人の方と接点を持てることにやりがいを感じています」
ただ、「学生のうちは学生らしく部活に打ち込み、もっと後輩とも交流したいという思いもあります」とも漏らす。
3年生の夏からは、就活の前哨(ぜんしょう)戦ともいえるサマーインターンの選考が始まる。
「コロナで部活の状況が見通せないですが、大会がある場合とない場合、部活の練習が再開できる場合とできない場合、それぞれのパターンを想定して就活を進めていきます」
最終更新日:6/4(金)0:01 BUSINESS INSIDER JAPAN