スルガ銀行が抱える不正融資問題が「第2幕」へと突入した。
これまではもっぱら2018年に発覚したシェアハウス向け融資をめぐる不祥事への対応だったが、1棟の投資用アパート・マンション向け融資(アパマンローン)においても、物件オーナーの間で対応を求める声が高まっている。スルガ銀行のアパマンローンの融資額はシェアハウスよりもはるかに多い。元本カット(債務の減免)などの対応を迫られれば、深刻な経営問題へと発展する可能性がある。
数十回もの交渉を経て2020年3月、スルガ銀とシェアハウスのオーナー257人との間で和解が成立した。オーナーがシェアハウスを手放すのと引き換えに、スルガ銀は債務を帳消しにするという内容だ。2021年3月には追加でオーナー285人が同様の和解に至った。これが「第1幕」だ。
こうしてシェアハウス問題の解決に一定の道筋がついたことから、今回新たにアパマンローンを対象とする弁護団が設立された。
■スルガ銀行員が「チャレンジしましょう」
経営再建のさなかにあるスルガ銀は、2020年度は214億円の黒字だった。だがこれは、過去に積み上げた利回りの高い融資の恩恵を受けているにすぎない。ピーク時に比べて新規融資の金額は半分以下に減っており、リスクの低い顧客への融資拡大から利回りも低下している。既存の融資が返済されると貸出残高は減少し、高利回りの恩恵も薄くなっていく。そうした中、アパマンローンまで減免となれば、経営への影響は計り知れない。
最終更新日:6/2(水)11:34 東洋経済オンライン