化粧品販売大手DHCの吉田嘉明会長が、サイト上に在日コリアンに対する差別的なメッセージを繰り返し載せていた問題。掲載されていた3つの文書が、5月31日夜までに、すべて削除されていたことがわかった。この問題をめぐっては、包括連携協定を解除する自治体や、CM枠の販売を取りやめるテレビ局が出たほか、JR西日本やイオンなど、主要取引先の複数社からも反発の声があがっていた。(*この記事には差別的な文言が含まれます。閲覧にご注意ください)【BuzzFeed Japan / 籏智 広太】
一連の差別的発言は、国会でも取り上げられた。今年4月2日の衆議院法務委員会で自民党の武井俊輔議員が「ヘイト企業のあり方も非常に残念」と本件に言及。
上川陽子法相が「企業にはむしろ率先してヘイトスピーチを含めたあらゆる差別・偏見をなくして、人権に配慮した行動をとるということについて考えて、深く行動していくことが大事」と、発言に否定的な答弁している。
また、DHCと関わりを持っている自治体からも反発の動きが出ていた。
同社との包括連携協定を解消する動きも出ている。「ヘイト発言はあってはならないこと」(高知県南国市)「発言は容認できるものではない」(熊本県合志市)のほか、高知県宿毛市も同様に解消手続きを進めている。
個別協定を結んでいる神奈川県平塚市も、「あるまじき内容」などとし文書の削除を要請。協定見直しを含め対応を検討しているという。そのほかの自治体にも、削除要請をするなどの動きが広がっている。
また、DHC商品をふるさと納税の返礼品としていたさいたま市も取り扱いを5月25日に取り消した。担当者は「一連の文書について、DHC側からの説明が十分ではなかった。返礼品は寄付いただいた方への謝意をあらわすものであり、市のPRにつながるものでもあるため、相応しくないと判断した」としている。
一方、日本テレビが差別的表現を理由にDHCへのCM枠の販売を拒否したほか、新聞折り込み広告についても、毎日折込、読売IS、サンケイアイの3社が拒否していた。
DHCはサントリーを「チョントリー」などと揶揄する表現をしていた文書を削除した理由について、5月25日、「本件に関するコメントは差し控えさせていただきます」と回答した。
なお、この件についてサントリー側は抗議していなかったという。
BuzzFeed NewsはDHC側に、サントリーに関するもの以外の2つの文書に関しても、削除の経緯や批判へ見解を問い合わせている。
回答があり次第、追記する。
最終更新日:6/1(火)19:44 BuzzFeed Japan