カー用品「車種専用」増えた訳

「アルファード/ヴェルファイア」専用ダストボックス、「ヤリス」専用サンバイザー、「ジムニー」専用ドリンクホルダー……カー用品店では2021年現在、このような「車種専用」商品のコーナーが一定の割合を占めるようになっています。



 一般的に、カー用品店で売られている商品といえば、多くの車種に取り付け可能な汎用品であり、車種専用品はディーラーオプションというイメージがあるかもしれません。

 汎用でないぶん、あえてユーザーの間口を狭めてしまいますが、オートバックスを展開するオートバックスセブン(東京都江東区)によると、「質感などを重視されるお客様に好評」とのこと。特に、ジムニー専用商品などはかなり売れているといいます。

 しかしながら、販売台数で見ればジムニーなどはそれほど多いわけではありません。専用品はどのような車種に設定され、どのようなニーズがあるのでしょうか。5月にカローラ専用ドリンクホルダーを販売するなど、ラインアップを拡げている用品メーカーのカーメイト(東京都豊島区)に話を聞きました。

――車種専用のアクセサリーを最初に打ち出したのは、何だったのでしょうか?

 2010(平成22)年のプリウスに設定した、コンソールボックスに取り付けるトレイなどです。当時のプリウスはシフトノブの下がデッドスペースになっており、ここにピタッとはまるドリンクホルダー付きのトレイは、いまも年間5000個売れているほか、海外からのニーズも多く、累計では16万個に上っています。

――専用の商品はどのような車種に多いのでしょうか?

 最初の頃は、販売台数が多いもの、たとえばプリウスやアルファード、ハイエースなどに設定する傾向でした。しかし近年はライバルも多くなったことから、販売台数よりも、用品を愛好いただける方が多い車種へ設定するようにしています。その代表がジムニーでしょう。内装の不満点を解決するような商品を打ち出しています。

――汎用品ではダメなのでしょうか?

 汎用品では取り付けられない、取り付けられてもちょっと斜めになってしまう、といったケースが増えています。しっかりはまっても、ドリンクを置くとミラーが見えなくなったり、ウインカーレバーに当たりやすくなったりすることもあり、それが不満につながります。

 背景には、クルマの内装形状が多様化していることが挙げられます。エアコンのフィンひとつとっても形状が様々で、それがクルマを差別化するポイントのひとつにもなっているのですが、そのぶん、汎用のアクセサリーではうまく適合しないケースがあるのです。

――販売上のメリットはどのような点でしょうか?

 商品の満足度アップが大きいでしょう。インターネットでアクセサリーを買う方も増えており、取り付けられたけどグラグラしている、といった状態だと、商品レビューに悪い評価がつく傾向があるのです。専用品ならば「絶対つく」という安心感もありますので、買いやすさにもつながります。

 また、納車を待つあいだに買い揃えていただけるのも利点でしょう。

 従来は納車されたあとカー用品店へ行き、自分の車種に合うものを探すという動きでしたが、ジムニーなどは特に、納車までの時期が長くなっています。でも、そのあいだが一番楽しいんですよね。商品レビューを検索して、YouTubeで商品の取り付けイメージを見て、「これ買っておこう」となるわけです。その点でも、適合するかわからない汎用品より、専用品のほうが選びやすいでしょう。

最終更新日:5/29(土)17:09 乗りものニュース

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6394632

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