東証続伸 午前終値2万5108円

10日の東京株式市場の日経平均株価は続伸し、前日終値比の上げ幅が一時400円を超え、取引時間中として1991年11月以来、約29年ぶりに2万5000円台を回復した。米製薬大手ファイザーが開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて、90%超の確率で感染防止の有効性が確認されたとする臨床試験結果を公表したことを受け、欧米市場の株価が急騰した流れを引き継いだ。

 ファイザーは9日、独ビオンテックと共同開発するワクチンについて、11月後半にも米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する見通しを示した。欧米メーカーのワクチンの中で、最終段階で有力な結果が示されたのは初めて。景気回復の切り札となるワクチンの実用化が現実味を帯びたことで、9日のニューヨーク株式市場は大幅反発し、優良株で構成するダウ工業株30種平均は、前週末比834・57ドル(3・0%)高の2万9157・97ドルで取引を終えた。上げ幅は一時1600ドル超に達し、2月12日に記録した取引時間中の過去最高値を約9カ月ぶりに更新した。

 10日の東京株式市場もワクチン実用化で景気が本格回復するとの期待が高まり、買いが先行した。日経平均の午前終値は前日終値比268円37銭高の2万5108円21銭。

 東京外国為替市場でも投資家のリスクをとる姿勢が強まり、比較的安全な資産とされる円を売ってドルを買う動きが拡大。円相場が前日午後5時時点より1円超円安・ドル高の1ドル=105円前後で推移し、輸出銘柄を中心に株価上昇を後押しした。菅義偉首相が10日の閣議で追加経済対策の策定を指示したことも好材料となった。

 野村証券の沢田麻希エクイティ・マーケット・ストラテジストは「節目となる2万5000円台に達したことで利益を確定するための売りが出やすくなり、今後は上昇ペースが緩やかになる可能性もある」と指摘した。【釣田祐喜、ワシントン中井正裕】

最終更新日:11/10(火)12:38 毎日新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6376073

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