はらぺこあおむし初版 日本製作

人気絵本「はらぺこあおむし」などを手がけた米国の絵本作家エリック・カールさんが23日に亡くなった。91歳だった。米メディアが26日伝えた。

 「はらぺこあおむし」は日本でも累計430万部を発行している人気作品。日本語版「はらぺこあおむし」の出版元である偕成社の今村正樹社長は、「非常に頑丈な方なので、まだまだ大丈夫かなと思っていましたけど。家族ぐるみの付き合いでしたので…突然の知らせで残念です」と話した。

 「はらぺこあおむし」の原書「The Very Hungry Caterpillar」がアメリカで刊行されたのは1969年。同本の初版本には「Printed in Japan」の文字がある。「はらぺこあおむし」の絵本には穴あきなどの仕掛けがあり、特殊な絵本を印刷、製本できる会社が米国にはなかった。そのため、正樹氏の義父であり、当時の偕成社の社長・廣氏に米国の編集者から相談が持ちかけられ、廣氏は快諾したという。

 そこからカールさんと今村家は、家族ぐるみの付き合いに。正樹氏がカールさんと最後に会ったのは、2018年、自身の妻とともにマサチューセッツ州にあるカールさんの美術館に訪れたときだったという。

 正樹氏は、「周囲のものに対する興味の塊みたいな方でしたね。日本に来て車に乗っていても、窓から見える景色に、『あれはどういうもの?』という質問があって」とカールさんの好奇心旺盛な様子が印象的だったという。「周りのものに対する関心、それからそれを自分の作品の中に取り込むことに生涯興味を持っておられた方だと思います」。

 偕成社では、1976年に出版された日本語版「はらぺこあおむし」の45周年フェアが行われている。正樹氏は「作家の方は作品が残る。そういう意味ではほんとのお別れのようには感じないです。カールさんにこのままずっと生き続けてもらうためには出版社としての責任を果たさなきゃいけないなと思います」と話している。

最終更新日:5/27(木)16:38 スポーツ報知

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6394461

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