Copyright(C) Japan News Network. All rights reserved.アパートの施工不良が相次いで判明している「則武地所」が投資用物件のオーナーを募る際、「建設費を水増しして融資を受けられる」などと勧誘していたことがJNNの取材でわかりました。
則武地所が施工した八王子市内のアパート。
「こういうところが錆びていたり、なんか沈んでいますね」(「則武地所」施工アパートの住人)
則武地所は、東京・神奈川を中心に166棟のアパートを施工。その多くを投資用として販売していました。しかし先月、階段が崩落する死亡事故が起き、他の物件でも施工不良が相次いで判明。国交省が調査を行っています。その則武地所に新たな問題が浮上しました。
「簡単に言うと銀行をだますような話を勧められたということになります」(物件購入を検討した男性)
こう話すのは、今年2月に則武地所からアパート投資を持ちかけられた男性です。物件は神奈川県内の木造2階建てアパート。販売価格は1980万円、賃貸に回した場合の予定利回りは13%以上とされていました。男性は銀行から不正に融資を引き出す手口の説明を受けたといいます。
「建設費用の試算をもとに銀行から融資をもらうんですけど、その(建設費用の)試算以上の試算をつくりますよと」(物件購入を検討した男性)
則武地所が“建設費用を水増ししてウソの試算を作成。それを元に銀行に融資を申請することで、販売価格を上回る融資を受けられる。余った金は別の投資などに回すことができる”というのです。
「そうすれば(1980万円の物件で)銀行から3000万、4000万円の融資がおりますと。すごい自然体で言われたので私もびっくりしてしまいました」(物件購入を検討した男性)
不信感を抱いた男性は投資をやめたといいます。
不動産の投資トラブルに詳しい弁護士は、こう指摘します。
「金融機関に対する詐欺に該当すると思います。(会社側の)売って利益をあげて問題が起きなければいいやと。そこの行き過ぎが今回の死亡事故につながってしまったのかなと」(さくら共同法律事務所 金 裕介 弁護士)
また、「則武地所」の元社員は、幹部らが施工の品質より売り上げを優先していたと証言します。
「客(オーナー)が住むわけじゃないからいいんだ。売れればいいんだっていうような感じで、自転車操業だったと思う」(「則武地所」元社員)
警視庁は死亡事故について、業務上過失致死の疑いで捜査を進めていますが、則武地所の営業の実態などについても情報収集しています。(26日14:58)
最終更新日:5/26(水)23:51 TBS系(JNN)