新年度が始まり、早くも4分の1が終わろうとしている。未来ある若者たちは新たな夢を追う。出会いがあれば別れは避けられないが、早すぎる別れを決断した早期離職者たちのその後を追った。
入社0日で辞めた人もいる。慶応大を卒業した昨年春、コンサル会社に入社する予定だった山内雄介さん(仮名・23歳)だ。入社前の課題に手をつけられず、そのまま自宅で入社式の時間を迎え、一度も出社せず退職に至った。
「鬱っぽくて病院に2か月ほど通い、調子がよくなってからは、いくつか短期バイトをして食いつないでいました。今年からは友人に勧められてウーバーイーツをやっています。週5日稼働して、月収は約30万円。チャリを運転するのは命を削っている感じがありますが、でもそんなスリルを味わっている自分もいますね。斜め横断や信号無視も当たり前にやるようになって『気をつけろよ!』とキレられたことは何度もあります」
決して、正社員への道を諦めたわけではないそうだ。
「一度は正社員で就職すべきだろうなとは思っています。僕みたいなナイーブな人間は特に。でも、もう新卒の会社よりいいところに入れる気がしなくて、もったいなさと悔しさみたいなものはあります」
通常の転職以外の手段を考え、森谷さんは内定を辞退した会社に連絡。インターン時に高評価だったことから再就職にこぎ着け、’18年9月から人事を担当している。
「僕が早期離職して苦しかったことと会社側も人を雇うときに想像以上にコストが発生することを知り、新卒の会社は僕を選考で落とせなかったのだろうかと考えるようになりました。それがきっかけで人事を希望し、今はギャップのない採用に尽力しています」
早期離職のハンディを負っても柔軟に生きるのがZ世代なのだ。
最終更新日:5/25(火)13:02 bizSPA!フレッシュ