リニア 南アルプストンネルは今

まず品川~名古屋間で、JR東海が建設を進めているリニア中央新幹線。南アルプストンネルは、その工事で特にポイントとなる箇所のひとつです。



 山梨県早川町と長野県大鹿村を結ぶ長さ約25kmもの山岳トンネルで、標高3000m級の山脈を貫き、土かぶり(地表までの距離)が最大およそ1400mになることから難工事も予想され、リニア中央新幹線建設にあたり早期に着工されました。

 また、このトンネルによって大井川の水量が減少する懸念があるとして静岡県が工事開始を認めておらず、2027年の開業予定に影響する可能性が出ていることからも、ポイントになっている箇所です。

 この南アルプストンネルの工事現場はいまどんな状況なのか、2021年5月12日(水)、現地を取材しました。

 向かったのは、南アルプストンネル山梨工区の広河原非常口建設現場。それがある山梨県早川町は96%が森林で、人口994人と、自然人口が日本一少ない町です(2021年3月1日時点)。

山中に現れた坑口ヤードは、作業員詰め所、トンネル内への送風設備、発生土をトンネル外へ運ぶベルトコンベア、発生土の仮置き場、火薬類を取り扱う火工場からなり、広さは2300平方メートル(約700坪)。

さてこの広河原非常口の斜坑は、長さが約4.1kmもあります。

 広河原非常口の坑口から南アルプストンネルの本坑まで、真北に掘り進めるのが近いですが、北西方向へ長く掘り進むことで、山梨・静岡県境まで約2kmの地点へ到達するようにされています。

 標高3000m級の山脈を貫く南アルプストンネル、その地表側のどこにでも非常口の斜坑を設けられるわけではありません。また非常口などになる斜坑は、ある程度の間隔を空けて本線トンネルへ到達するようにしないと意味がないため、こうした長い斜坑が生まれるわけです。

この粘板岩の塊(30cm×20cm×8cmぐらい)を持ってみましたが、見た目以上に重いのにも驚きました。写真中央の粘板岩を片手で持ち上げようとしたら、持ち上がらないどころか、手首が死にそうになりました。

 また驚いたといえば、切羽でワンボックスカーから降りると、涼やかな風が吹いていたことも意外でした。坑口にあった送風設備の効果、明らかです。送風管の直径は2mあるそうです。

最終更新日:5/16(日)21:24 乗りものニュース

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6393482

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