GoTo 入金遅れに旅行業悲鳴

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国の需要喚起策「Go To」事業。熊本県内でも観光の「トラベル」と飲食の「イート」の利用が進む中、参加する旅行業者や飲食店には国からのお金がスムーズに入らず、資金繰りに苦慮する事態が起きている。事務手続きの負担も増え、業者からは「経営の重荷になりかねない」と不満の声が上がる。

 7月に始まった「Go To トラベル」は、旅行代金の50%相当を国が補助する。このうち35%分は、旅行業者が商品から割り引いて販売するため、国に対して一時的に立て替える形になる。業者は国が委託した事務局に申請し、立て替え分を受け取る仕組みだ。

 「9月に申請した立て替え分が、11月になって振り込まれた。あまりに遅い」と憤るのは、熊本市で修学旅行などを扱う旅行業者(52)。ほかにも入金待ちの申請があり、11月分までの未収金は1300万円に上る可能性もあるという。

 国からの入金が遅れてもホテルやバス会社などへの支払いは欠かせないだけに、「コロナ禍で手持ち資金に余裕がなく、新たに借金せざるを得ないかもしれない」と気をもむ。

一方、「Go To イート」のうち、プレミアム付き食事券の発行と利用は県内で10月に始まった。利用者は1万円分の食事券を8千円で購入でき、登録店で使用できる。

 熊本市の和食店では、最初の1週間で20万円超の食事券が使われた。男性店主(60)が換金しようとしたところ、県内事務局が定める振込日は月1回で、しかも初回は12月と分かった。

 男性店主はこれまで前日の売上金を翌日の仕入れなどの運転資金に回してきた。最近はカード払いも増えて手持ちの現金が少なくなっているだけに、「食事券の換金が滞れば営業ができなくなる」。

 県内事務局はこうした声や農水省からの通知を受け、換金の頻度を増やす方向で検討。「12月に飲食店が受け取った分から、振込日を月2回にしたい」という。(中原功一朗、丸山伸太郎)

最終更新日:11/9(月)10:04 熊本日日新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6375958

その他の新着トピック