所持金42円、30歳のホームレス

新型コロナウイルス禍が続き、経済的打撃が長期化したことで、雇用が不安定な非正規労働者にしわ寄せがきている。政府は「自分ができることは自分で」と強調し、今日の生活さえままならない人たちが置き去りにされている。職を失い、生活困窮に陥る人も増える中、憲法が保障する生存権とどう向き合えばいいのか-。



 4月27日正午、NPO法人「美野島めぐみの家」が福岡市博多区の教会で行った炊き出しには106人が訪れた。うち、ホームレスは57人。高齢者が目立つ中、若い男性の姿もあった。

 男性(30)は派遣切りに遭い3月下旬にホームレスになった。この日の所持金は42円。カレーライスをおかわりし、笑みがこぼれた。「本当に助かる。支えてくれるのは国ではなく、人のぬくもりだと感じます」

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 自分でできることは、まず、自分でやってみる。そして、家族、地域で互いに助け合う。その上で、政府がセーフティーネットでお守りする

 昨年10月、菅義偉首相の就任後初の所信表明演説。野党や困窮者を支援する人から「公助よりまずは自助を求め、自己責任を強要している」と批判された。

 厚生労働省によると、全国のホームレスは3824人(1月現在)で、2003年の調査開始以来最少。福岡県は268人(前年同期は260人)だった。

最終更新日:5/7(金)16:00 西日本新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6392670

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