ペーパーレス化が進み、企業がコストカットを進める中、文具市場は縮小が続いています。ただ、法人向けの需要が落ち込む一方で、個人向けのアナログ文具の人気が盛り上がりを見せています。中でも市場をけん引しているのが女性、「文具女子」という言葉も登場してきました。
3月末、大阪で開催された文具の展示即売イベント「文具女子博petit大阪2021」。72社が出展し、2万点以上のアイテムが揃ったイベントには、3日間で約1万人が集まりました。来場者の9割は女性です。
このイベントを企画したのが、「日販セグモ」の浦田瑠衣さんと「日本出版販売」の白鶯繭子さんです。
浦田さんによれば、かわいい小物をそろえる感覚で文具をコレクションしている女性が増えており「自分の持っている文房具を写真に撮って、SNSにあげる女性も増えています」といいます。
今、人気が出ているのが「Bobbin:コマキキ」(税込み660円、コクヨ)。マスキングテープを小さく巻き取れるコマキキと呼ばれる新製品で、お気に入り柄のマスキングテープを小分けにして、友達同士で分け合うことができます。
「からっぽペン」(税込み220円、呉竹)は綿芯に自分で作った色のインクを吸わせて、自分だけのカラーペンを作ることができるペンです。ひと手間を加えることで、オリジナル文具を作れる魅力が文具好きの女性の心をつかみました。
開発したのは筆ペンで知られる老舗の文具メーカー「呉竹」。コロナ禍で在宅での仕事が増えたことも販売を後押しし、1年間で累計30万本を売り上げました。
呉竹ではこうした女性を意識した商品づくりに手応えを感じています。
「女性にパッと手にとっていただくようなトキメキ文具という感覚で開発をしていきたい。開発に携わっている部門も約8割以上が女性です」(「呉竹」国内営業部部長・吉野誠さん)
最終更新日:5/7(金)8:43 テレ東BIZ