【宮城】国内の大型レジャー施設の先駆けで、惜しまれながら昨年8月、94年の歴史を閉じた「としまえん」(東京都練馬区)。その乗り物や遊具たちがこの春から、各地の遊園地で「第二の人生」を歩み始めている。
仙台市の八木山ベニーランドには3月、イエローの車体のジェットコースター「コークスクリュー」がやってきた。米国製で、2回転宙返りの絶叫マシンだ。
ベニーランドにも1980年に導入された同種機があったが、としまえんの方は90年代前半に更新されており、安全性や利便性に優れる。「廃棄されるのはもったいない。としまえんのレジェンドも引き継ぎたかった」(八木充幸園長)と購入を決めた。ベニーランドの初代コークスクリューは、北海道の遊園地に引き取られた。
山形県上山市の「リナワールド」では、木製の巨大立体迷路の一般利用が、4月29日から始まった。としまえん閉園まで約4年間使われていた「トリックメイズ」だ。まだ新しいため、2分割した片方がリナに、もう片方は栃木県の那須高原りんどう湖ファミリー牧場に移され、ファンたちの思いを受け継いだ。
リナの立体迷路は、幅12メートル、奥行き14メートル、高さ9メートルほど。担当者は「知力も体力も必要。大人でもてっぺんのゴールまで20分は覚悟してほしい」。名前は公募で決める。
としまえんのグループ会社・西武鉄道によると、横浜市の八景島シーパラダイスにも三つのアトラクションを譲渡。同園の「顔」だった世界最古級の回転木馬「カルーセルエルドラド」や、1番人気のジェットコースター「サイクロン」なども、再就職先を検討中という。(石橋英昭、三宅範和)
最終更新日:5/4(火)20:18 朝日新聞デジタル