たまごっち 在庫の山から再起

流行は日々変化する。そのため、社会現象ともいえるほどの人気を博しても、一度のブームで終わってしまうコンテンツや商品がほとんどだ。空前の大ヒットを記録した「たまごっち」は、ブームの終焉とともにひっそりと販売を終えたが、その数年後に2度目のヒットを飛ばした稀有(けう)な存在だ。(清談社 真島加代)



● 2年で4000万個を売り上げた 第1次たまごっちブーム

 老舗玩具メーカーであるバンダイの大ヒット商品の一つ「たまごっち」は、96年に発売された携帯型育成玩具。ユーザーが液晶画面に映し出されたキャラクターのお世話をして成長させるゲームとして、10代を中心に人気を集めた。

 「当時の資料には、バンダイのトラックが走っていると『たまごっちが出荷されているらしい』という噂が広まって人が集まってくるので、トラックに描かれたバンダイのロゴを隠して走行していた、というエピソードが載っていました。私自身は、第1次たまごっちブームの頃は幼かったのであまり記憶はないのですが、正直想像もつきません(笑)」

 そう話すのは、バンダイの開発担当・安田江利果氏。ほかにも、たまごっちの入荷を教えてくれる店員が話題になったり、育成を代行する業者が現れたりと、たまごっちにまつわる逸話は多く残されている。

「その噂とは、現役の女子高生たちが幼い頃に使っていた昔のたまごっちで遊んでいる、というものでした。さらに聞き取り調査を続けた結果、たまごっちをまったく知らない小学生をターゲットにして展開すれば新たな市場が広がるかもしれない、という可能性が見えてきたんです」(同)

 「子ども向け玩具は、“大人のまねができる”のが特徴になることがあります。当時の小学生にとっては、赤外線通信は憧れの機能でした」(安田氏)

 そして2004年には、ターゲットを小学生に絞って「かえってきた!たまごっちプラス」を発売した。キャラの育成に加えて、赤外線通信でたまごっち同士が友だちになったり、仲良し度が上がれば結婚して2世が生まれたりと、多様な遊び方が可能になった。

 「当時の大人たちは、ガラケーの赤外線通信でデータを送り合っていましたが、小学生はケータイを持っていない子のほうが多い状況でしたよね。そこで、たまごっちがあれば大人のまねができるというコンセプトで、赤外線通信を搭載しました。初代のキャラクターは『なかなか育てられないおやじっち』のような“レアキャラ”を登場させて、育成ゲームのおもしろさを重視しましたが、ターゲットを変えてからは、かわいいキャラクターを増やしています。本体デザインもかわいらしさを重視して、“かわいいものが好きな子どもたち”がより楽しめる方向にシフトしました」(同)

最終更新日:4/23(金)20:31 ダイヤモンド・オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6391474

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