フォーブスは4月6日、今年で35回目となる毎年恒例の「世界長者番付」を発表した。新型コロナウイルスのパンデミックが経済大国を含め各国に多大な影響を及ぼすなか、ビリオネア(保有資産10億ドル以上)の数は過去最多を更新。2755人となった。うち493人が初のリスト入りとなっている。
今年の番付に入った富豪たちが保有する資産は、合計およそ13兆1000億ドル(約1445兆円)。昨年の約8兆ドルから大幅に増加した。フォーブスのアシスタント・マネージング・エディター(富裕層担当)、ケリー・A・ドーランはこれらビリオネアたちが保有する富について、「資産の合計額が初めて10兆ドルに達した」ことを指摘。「巨額の富が生み出されてきたペースの速さに驚かされる」と述べている。
トップ5の顔ぶれ
今年もランキングのトップは、アマゾン・ドット・コムの創業者であり、近く最高経営責任者(CEO)を退任するジェフ・ベゾス。4年連続で首位を維持した。2位は米電気自動車(EV)メーカー、テスラのCEO、イーロン・マスク。昨年の31位から大幅にランクアップしている。
3位は昨年と同じ、LVMHの取締役会長兼CEO、ベルナール・アルノーだった。その後には、ビル・ゲイツ、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグが続いている。ウォーレン・バフェットは20年以上ぶりに、トップ5から姿を消した。
最新番付の注目点は──
今回のランキングには、過去最多となる1975人の「セルフメイド」のビリオネアが名を連ねた。起業などにより、自らの力で財を成した人たちだ。また、女性富豪の増加も目立っており、昨年の241人から328人に増えた。
今回初めてランクインした富豪の中で特に注目すべき1人といえるのは、マッチングアプリ「バンブル(Bumble)」を運営するバンブルの創業者、ホイットニー・ウルフ・ハード。同社は今年2月に上場を果たしている。
最年少のセルフメイドのビリオネアとなったのは、26歳のオースティン・ラッセル。2012年に米スタンフォード大学を中退した後、著名投資家ピーター・ティールが創設したプログラムを通じて入手した10万ドルで、リモートセンシング(遠隔計測)技術の開発を手掛けるルミナ―・テクノロジーズ(Luminar Technologies)を創業した。
女性の最年少のビリオネアは、今年に入って上場した中国の電子タバコメーカー、RLXテクノロジー(霧芯科技)のCEO、39歳のケイト・ワンとなっている。
一方、地域別に見ると、世界で最もビリオネアが集中しているのは、1149人が番付に入ったアジア太平洋地域だった。次いで多くのビリネがいるのは、米国(724人)、欧州(628人)となっている。
最新の世界長者番付は、2021年3月5日の株価と為替レートに基づいて算出した富豪の資産の額に基づき、作成されている。また、番付のフルリストは、www.forbes.com/billionairesで公開されている。
最終更新日:4/6(火)20:05 Forbes JAPAN