高島屋 服売りっぱなし脱却へ

高島屋は6月から、都市部の店舗でポリエステル製の衣類の回収・再生・販売をセットにした取り組みを始める。回収した衣類をポリエステルに戻し、新たな製品に生まれ変わらせて店頭に並べる循環型ビジネスのモデル構築を目指す。2025年をめどに同社オリジナルのポリエステル製商品には全て再生素材を使う方針だ。



 ファッション業界は大量生産した衣類の売れ残りを廃棄処分し、染色時に水資源も多く使うため、国連貿易開発会議が「環境汚染産業」と批判している。衣類を多く販売する高島屋も「服の売りっぱなし」からの脱却を検討してきた。

 そこで目を付けたのが原油の成分から作られる化学繊維のポリエステル。衣類を分解してポリエステルを生産する技術を持つ日本環境設計(東京)と協業し、店頭で回収した衣類をポリエステルに再生してもらう。同社の技術は質の高いポリエステルを生産できるため、繰り返して衣類への再生が可能といい、高島屋が目指す循環型ビジネスが実現できると判断した。

 高島屋の取引先のアパレルメーカーなどに対し、この再生ポリエステルを使って製品を生産するよう協力を呼びかけており、現時点でスーツジャケットやTシャツなど約60種類の再生衣類を生産できる見通しだ。

 4月下旬から再生衣類の販売を先行して始め、6月からは回収も含めて首都圏や関西の大型店を中心に本格化させる。当面は高島屋のオリジナル商品に限って回収する。年間を通じて衣類の回収・再生・販売を手がける小売店は珍しいといい、村田善郎社長は「サーキュラーエコノミー(循環経済)を構築し、大量生産・大量消費から循環消費に意識を変えていきたい」と話す。【中津川甫】

最終更新日:4/2(金)18:17 毎日新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6389575

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