(株)F-Power(TSR企業コード:297969072、法人番号:2010701022133、港区芝浦3-1-21、設立2009(平成21)年4月、資本金5000万円、代表取締役:沖隆氏ほか)は3月24日、東京地裁に会社更生法を申請し同日、保全管理命令を受けた。申請代理人は三森仁弁護士(あさひ法律事務所、千代田区丸の内2-1-1)。保全管理人には富永浩明弁護士(富永浩明法律事務所、中央区銀座7-12-14)が選任された。
なお、コールセンター(電話03-5544-8671、受付時間:午前9時~午後5時30分)が設置されている。
負債総額は債権者315名に対して約464億円で、今年に入り最大。なお、会社更生法の申請は、1月の大興製紙(株)(TSR企業コード:440024757、法人番号:5080101008905、富士市)に続き今年2件目となる。
全国規模の独立系電気小売事業者(新電力)で、一般顧客や法人向けにサービスを展開していた。関係会社の発電所経由で電力を調達するほか、一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX)などからスポットで購入して対応。顧客数の増加に伴い、設立以降、増収傾向で推移し、2016年4月の電力小売自由化も追い風に、電力販売量は2018年4月に新電力では1位となり、2019年6月期には売上高約1606億1300万円をあげていた。
しかし、競合激化や調達価格の高騰など収益性の悪化から同期は約184億6200万円の赤字を計上し、債務超過に転落。2020年には、収益性の回復に努め黒字化したものの、供給電力量は減少し売上高は約727億円まで低迷していた。
こうしたなか、今冬に入り電力卸売市場価格がさらに高騰したことで負担が拡大、資金繰りに行き詰まり会社更生法を申請した。
会社によると電力供給については「支障はない」としている。現在、複数のスポンサー候補者が支援について検討しており、今後、スポンサーの下で再建を目指す意向。
最終更新日:3/25(木)17:48 東京商工リサーチ