京王線の笹塚駅の「塚」という漢字をよく見ると、9~10画目の線に交差するように、点があるのに気付きます。
漢字字典では、「点ありの塚」は、「点なしの塚」の「旧字体」とされています。なお、1981(昭和56)年に制定された常用漢字表では、点なしに字体整理され、点ありはカッコ書きで注記されるのみとなっています。
しかし点なしが正式とされた今でも、京王電鉄では駅名標や案内板だけでなく、車内の案内装置や行先表示、駅の到着案内といったLEDの表示器にも、きちんと点を付けていて、こだわりを感じます。
京王電鉄に確認したところ、「社内で統一基準があるわけではないが、漢字表記については所在地の地名の表記を踏襲したもの」とのことでした。
実は所在地の渋谷区笹塚の「塚」も、登記簿などに用いられる正式な地名は「点あり」なのです。渋谷区の戸籍を担当する職員も「点ありの塚を意識して用いています。漢字変換でも、真っ先に点ありが出ますね」と話します。
現在はバス停名や公共施設をはじめ、駅周辺では点なしの表記が一般的で、駅東側の都道の「笹塚一丁目東」交差点の案内板や、古い住居表示板で「点あり」が見られるのみとなっています。
最終更新日:3/15(月)18:27 乗りものニュース