2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故は、原子力発電産業に安全上の深刻な懸念をもたらしたが、10年たった今でも、世界の原子力に対する需要は衰えていない。
世界原子力協会(WNA)によると現在、世界32カ国と台湾に約440基の原子力発電所があり、電力の約10%を供給している。原子力発電は、水力発電に次いで第2位の低炭素電源だ。
最大の原子力発電国は米国で、電力需要の20%を占める。電力需要の75%を原子力に依存するフランスの、2倍の規模だ。米国の原子力発電量は中国の2.5倍、ロシアの4倍。
各国が化石燃料を廃止し、CO2の排出量を削減しようとする中、原子力発電の需要は急増。中国、インド、ロシア、UAEなど16カ国で原子炉約50基が建設中。さらに100基が発注または計画中で、既存施設の拡張や耐用年数の延長で300基が計画されている。
2040年までに、世界の発電量は30倍以上に増加する見込み。再生可能エネルギー拡大の中、原子力は電力の8.5%を占めるとの予測だ。
福島原発事故以前、日本では電力の25%を原子力発電が占めていた。近い将来、それに近い水準に戻ると予想されている。
最終更新日:3/11(木)14:03 ロイター