技術の進歩により普及してきた便利な機能は多くあります。クルマに関する身近な機能のひとつとしては、停車中にブレーキを維持してくれる「オートブレーキホールド」が挙げられます。
しかし、過信しすぎると思わぬ危険に繋がることがあるようですが、どのような危険が伴うのでしょうか。
オートブレーキホールドの普及には電動パーキングブレーキの採用が関係していることは先に述べたとおりですが、より大きな視点でいえば自動運転に向けた第一歩ということもできます。
「自動運転」という言葉を文字通りにとらえるならば、「走る」「曲がる」「止まる」といったクルマの基本的な機能のすべてをクルマそのものに任せることになります。
日本や米国で採用されている自動運転の定義では、これは「レベル5(完全自動運転)」に該当しますが、現時点ではレベル5相当のクルマは市販されていません。
現在、市販されているクルマのほとんどは「レベル1(運転支援)」もしくは「レベル2(部分的自動運転)」です。
オートブレーキホールド機能自体はレベル1の「運転支援」に該当しますが、オートブレーキホールドの基礎となる電動パーキングブレーキは、「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール」や「衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)」などを含めた部分的自動運転支援システムの一部となっている場合が多く、オートブレーキホールドが搭載されているクルマの多くは、「レベル2」の自動運転車に該当する可能性もあります。
いわゆる自動運転車について、前出の警視庁交通課の担当者も以下のように話します。
「現状の法規制では『レベル2』の自動運転車による事故の責任は原則としてドライバー側にあるとされるため、ドライバーは常に対応できるような体制をとっておかなければなりません」
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オートブレーキホールド機能のみならず、近年では便利な運転支援機能が多く登場しています。
しかし、そうした機能はあくまでドライバーの運転を支援する補助的機能であり、法的にも原則としてドライバーの責任に帰するということを理解しておかなければなりません。
最終更新日:3/9(火)20:34 くるまのニュース