オンライン乗り鉄旅 参加した

JR九州が2021年3月1日(月)、同社初という「オンラインの旅」を開催。昨年7月の豪雨被害からその日に復旧する久大本線の特急「ゆふいんの森1号」へオンラインで乗車し、始発の博多駅から終点の由布院駅まで旅をする、というものです。



 この「オンライン乗り鉄」へ、東京から実際に参加してみました。使用ソフトはZoomで、こちらからの映像と音声はオフです。

 パソコンの画面へ、JR九州の客室乗務員が務める2名の司会者と、博多駅ホームが映し出され、そこに特急「ゆふいんの森1号」が入線。続いて、久大本線の全線開通を祝い、HKT48の栗山梨奈さんらが出席し行われた出発式の様子が中継されます。

 特急「ゆふいんの森1号」が発車すると、JR九州の青柳社長によるあいさつ(録画)が行われ、列車の前面と側面の眺望が流れるなか、司会の客室乗務員により、実際の特急「ゆふいんの森」と同様の車内放送が始まりました。小道具として、列車に備えられているマイクが用意されていたことに、ニヤリとします。

この「オンラインの旅」は、コロナ禍で鉄道の利用や旅行需要が激減するなか、「新しい旅の形」としてJR九州社内で発案されたそうです。

 まずJR九州の特徴でもある「D&S列車(観光列車)」での実施が候補に挙がったそうですが、「久大本線の全線開通」というタイミングがあり、それが「沿線の魅力を発信するだけでなく、沿線の皆様とつながる喜びを共有し、元気を提供できる絶好のタイミング」であったことから今回、40日という短い準備期間でそれを実現させたといいます。

 今回のオンラインツアーは無料で実施されましたが、大きな可能性が感じられたことから、今後は事業化を検討していくそうです(平日午前のツアー実施。72名の募集に912名が応募。倍率12.7倍)。

 また、JR九州の担当者である博多駅副駅長の本竹真徳さんは、次のように話します。

「オンラインツアーはコロナ収束後も、様々な制約により、実際にJR九州の鉄道をご利用できない方にお楽しみいただけるツールになります。また、鉄道と九州の魅力をお伝えし、新たなJR九州のファンになっていただくことが可能だと思います」

 私(恵 知仁:鉄道ライター)は、特急「ゆふいんの森」へ3回ほど乗ったことがありますが、今回「オンラインの旅」に参加して、乗ったときの記憶を懐かしみつつ、新しく「全線開通」というハレの日の体験ができ、列車の思い出・思い入れが増え、また乗りに行きたいと思いました。

 また、乗ったことがない参加者は、「今度は実際に乗りに行きたい」と思うでしょう。「オンラインツアー」は、現地への強い誘客ツールになるのではと感じました。

最終更新日:3/7(日)18:12 乗りものニュース

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6387034

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