ある平日の午後、福岡市・中洲にあるラーメン店「一蘭本社総本店」を訪れた。ランチタイムはとうに過ぎているが、店の前には人だかりができている。スタッフが手慣れた様子で行列を整理する。
これは本店に限った話ではない。東京の渋谷や新宿などの店舗でも似たような光景が見られる。一蘭のある社員は、気軽に自分の店へラーメンを食べに行けないのが残念だと苦笑する。ほぼ全ての飲食店がコロナ禍で苦しんだわけだが、ここにはその“後遺症”は微塵もなかった。
「コロナ禍からの戻りが想像以上に早くて。特にインバウンドの伸びがすさまじい」
こう話すのは、一蘭ホールディングスで事業統括責任者の立場にある山田紀彰氏。表情からうかがえる自信はきちんと数字にも表れている。2023年度の売上高は過去最高の355億6000万円を記録。2019年度は288億円だったため、コロナ禍前の水準に戻るどころか、一気に追い抜いてしまった。
一蘭はなぜ業績をあっさりと回復できたのか。その背景にはコロナ禍での仕込みがあり、一蘭ならではの強みが大いに生きたのだった。
最終更新日:7/6(土)16:15 ITmedia ビジネスオンライン