万博ボランティア人気 関係者驚く

開幕まで1年を切った大阪・関西万博のボランティアには、2万人の目標を大きく上回る延べ5万5634人が応募した。相次ぐ開催経費の増額やパビリオン建設の遅れが批判され、全国的な関心の低さも課題となるなか、なぜこれだけ多数の応募が集まったのか。



 「予想をはるかに超える数。正直、こんなに応募があるとは思っていなかった」。日本国際博覧会協会(万博協会)の幹部は、ボランティアの応募状況に驚き、こう語った。

 万博協会と大阪府・市が募集を行ったのは今年1月26日~4月末。2005年の愛知万博でのボランティア数や、今回の万博で必要な仕事量などを考慮し、協会と府市でそれぞれ約1万人ずつの計2万人を募った。府内を中心に大学や商業施設などで説明会を開催。「一生に一度の機会」とアピールした。

 しかし、協会内には当初、目標人数に達するか不安視する声もあった。

 万博をめぐっては資材や人件費の高騰に伴い、開催経費が相次いで増額。「万博の華」とされる海外パビリオンの建設も遅れ、会場で発生した爆発火災での協会などの対応にも批判が集まる。

 万博への関心も低調だ。大阪府・市が昨年実施したアンケートでは、万博に「行きたい」「どちらかと言えば行きたい」と答えた人は33・8%。21年度調査では51・9%、22年度調査では41・2%で、2年連続で減っている。

 そんな状況のなか、協会幹部らは若年層の関心が低いと分析。大学を中心に若者に応募を呼びかけるよう指示したという。さらに予算が苦しくなっても、応募に関心を持ってもらうため、ボランティアが着用するユニホームの製作も決めた。

■ユニホーム発表の効果? 最後5日間は「駆け込み」も

 万博協会によると、応募者は募集期間の折り返しの1カ月半が過ぎた3月15日時点で9651人にとどまった。しかし、締め切りが迫った4月に入ると、希望者が急増した。4月19日時点での応募人数は2万2799人。締め切り直前の22日には、ファッションデザイナー・コシノジュンコさんの意見も踏まえたボランティアユニホームを発表。この効果もあってか、20~26日で約1万人、最後の4日間は「駆け込み」で、更に2万人超増え、結果的に応募総数は延べ5万5634人(協会と府市のボランティアに重複応募した2万204人を含む)に上った。

 応募者の65・8%にあたる3万6616人の居住地は大阪府で、近畿2府4県以外からの応募は7・5%の4173人。協会が募った会場ボランティアには3万4190人が、府市が募った主に駅などまちなかで活動するボランティアには2万1444人が応募し、うち両方に応募した人は2万204人だった。

最終更新日:5/27(月)20:13 朝日新聞デジタル

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6502407

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