「家で口にくわえて食べてみたら、一口目でチーズに届かない。もうちょっとチーズの量を増やせないだろうか」
十勝管内音更町にあるJA木野の子会社が運営するスーパー「ハピオ」の中華まんじゅう「ハピまん」の商品開発会議で、「よし、これでいこう」と最終決定をした夜、製造担当者に1本の電話があった。
これまで会議で何十個と試作品を食べてきたが、半分に割ったり、切り分けたりして確認していたため、皮の厚さは盲点だった。担当者は、生地に具を詰める包餡(ほうあん)機の限界となる1・3倍にチーズの量を増やし、「増量分のコストはハピオさんに反映させず、うちの工場で持ちます」と伝えた。
電話をかけたのは、開発に携わった帯広物産協会の木戸善範事務局長(55)。年間20万個を売り上げる大ヒット商品は、異業種の連携によって誕生した。
最終更新日:5/27(月)20:45 十勝毎日新聞 電子版