ミロが刺激 ココア方針転換

ココア市場は、ココア自体の健康価値が浸透していることに加えて、昨年7月頃から周辺カテゴリーである麦芽飲料「ネスレミロ」が話題沸騰となったことで活性化している。
 ココアはこれまで季節性が高い商品であるため、スーパーや量販店では店頭棚を春夏に向け店頭棚を1~2段に縮小するのが通例だが、ココアの健康価値が見直されたことで、今春夏に向けてはいくつかの流通企業で店頭棚を維持・拡大する動きをみせ始めているという。
 健康価値への関心の高まりは、冒頭の事象に加えて、新型コロナウイルス感染症拡大よるところが大きく、昨春はカカオ分100%のココア商品が大幅に伸長し異常値を叩き出した。

「バンホーテン」を展開する片岡物産も、ココアの健康価値に注目が集まっていることを受けラインアップを拡充。
 2月24日に、プロテイン特有の臭みもなくタンパク質を摂取できるスティックココアの新商品「バンホーテンのプロテイン ココア」を発売開始した。
 これに伴い好調なスティックタイプの勢いを加速させるべく、既存のスティックココア4品をリニューアル発売した。
 パッケージ変更に加えて、中身は水溶性を強化。冷たい水や牛乳により溶けやすくしてアイスココアが簡単に作れることを訴求していく。
 これまでの手応えとしては「バンホーテン ハイカカオ72%」(190g)が挙げられ、9-11月の需要期の販売金額は40%増を記録した。  
 同商品は「バンホーテン ピュアココア」を72%配合した甘さ控えめのビターで濃厚な味わいが特徴の調整ココアで、1杯あたり食物繊維5.7g、カカオポリフェノール720mgが摂れる設計になっている。  
 昨年3月に発売したスティックタイプの「バンホーテン ミルクココア糖質60%オフ」も好調。「家事や仕事の合間で甘いものが欲しくなった時などに糖質やカロリーを気にせず楽しめるということでご好評をいただいているとみている。前身商品と比べると1・7倍程度伸びで推移している」という。

一方、3月以降の販売再開を予定している麦芽飲料「ネスレ ミロ」の動きはどうか。
 2月取材に応じたネスレ日本の高岡二郎飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒー&RTDビジネス部部長は、「ミロ」の新施策について「3月の再発売に向けて検討している段階で、現時点では再発売に注力していく。しっかり供給できる体制を整えたい」と語った。
 三井農林は、近年の「ミロ」の動きを追い風にすべく、栄養豊富なイメージの高い大麦に着目して昨年発売した「日東紅茶 朝の大麦ラテ」の配荷を拡大していく。
 同商品は、食物繊維、6種のビタミン、カルシウム、鉄分入りで、牛乳や豆乳に溶かして飲むだけで、各栄養素をバランス良く摂取できるように仕立てられている。
 作田祥司企画グループ商品企画・マーケティングチーム商品企画ユニットユニットリーダーは「ビタミンの中でもビタミンB群を多く含み、各栄養素をバランス良く摂取することができる」と説明する。

最終更新日:2/28(日)9:02 食品新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6386320

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