新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響は、福岡の伝統芸能や興行の世界にも広がっている。宴会などで日本舞踊や唄を披露する芸妓(げいぎ)は仕事が消え、国内外から観客を集めていたショーは中止が続く。福岡県などは今月末で宣言解除の見通しとなったが、感染拡大前の日常が戻るかは不透明。「このままでは文化が衰退してしまう」。関係者は危機感を募らせる。
「もっと粋に手を動かして」。今月中旬、芸妓の紹介や派遣を担う事務所「博多券番」(福岡市博多区)。ベテラン芸妓こまこさんが若手3人に踊りを指導していた。「仕事がない今は若い子にみっちり稽古する時です」
コロナ禍で芸妓が派遣される企業や団体の宴会は例年の1割まで減った。こまこさんの仕事も昨夏以降はほぼゼロ。年が明けて7、8件の予約が入って安心したが、2度目の緊急事態宣言で全てキャンセルになった。
最終更新日:2/25(木)12:15 西日本新聞