東京商品取引所で5日、中東産(ドバイ)原油先物相場が上昇し、取引の中心となる9月決済物が、昨年10月以来、約5カ月半ぶりに1キロリットル当たり8万円台の高値を付けた。
中東情勢の緊迫化に伴う供給不安を背景に、海外の原油相場が騰勢を強めており、国内にも波及した。
9月決済物は日中取引の開始直後に、前日比960円高の8万0180円を付けた。
イスラエルによるシリアのイラン大使館への空爆を機に、中東地域が緊迫し、石油供給が混乱するとの警戒感が広がっている。また石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が減産体制の継続を決めたことも上昇要因になっている。
楽天証券経済研究所の吉田哲氏は「イランがすぐに軍事行動を起こす可能性は低く、相場はいったん落ち着きそうだが、市場の警戒感は続く」とみていた。
最終更新日:4/5(金)15:50 時事通信