斉藤鉄夫国土交通相は2日の閣議後会見で、JR東海がリニア中央新幹線品川―名古屋間の令和9年の開業を断念したことについて「開業目標が達成できないことは非常に残念だ」と受け止めを述べ、「静岡県とJR東海の対話を促すなど一日も早い開業に向けて取り組む」との考えを示した。
JR東海は3月29日、静岡工区の着工遅れを理由に9年断念を表明。水資源や生態系への影響に対するJR東海と静岡県の間で主張の隔たりが大きく、静岡工区のトンネル工事に着手できていなかった。斉藤氏は「JR東海が環境保全でさまざまな施策を講じようと努力したが、必ずしも静岡県の理解を得られずに今日に至っている」と話した。
今後は、静岡工区モニタリング会議を通じて「JR東海の対策状況を継続的に確認する」など、リニアの早期整備に向けた取り組みを続ける。静岡工区の工期は10年程度はかかると見込まれ、開業は早くても16年以降になる見通し。
最終更新日:4/2(火)14:55 産経新聞