2020年末からのエネルギー価格高騰で電力調達コストが膨らみ、新電力会社は「逆ザヤ」状態に悩まされてきた。だが、2023年には市場価格が下落し、契約先の新電力会社の倒産や撤退により大手電力会社等から供給を受ける事態となった「電力難民」数を示す「最終保障供給契約件数」も3月1日時点で5912件と、ピーク時の2022年10月(4万5871件)に比べ87.1%減少した(電力・ガス取引監視等委員会、3月15日公表)。
資源エネルギー庁は、価格高騰の負担軽減策として実施してきた「電気・ガス価格激変緩和措置」において、5月分から緩和の幅を縮小する。他方、再生可能エネルギー推進のために運用している「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」を、2024年度は1キロワット時あたり3.49円と2年ぶりに引き上げた。さらに、電力の安定供給のために電力広域的運営推進機関(OCCTO)が2020年度に開設した「容量市場」の運用開始に伴い、2024年4月から容量拠出金も課金されることとなり、負担増となる新電力会社の先行きが注目される。
本調査では、新電力会社の撤退・再開動向について最新の状況を集計・分析した。
※ 帝国データバンクは、資源エネルギー庁の「登録小売電気事業者一覧」から、みなし小売電気事業者(旧:一般電気事業者)を除く「新電力会社」を対象として、事業撤退動向について調査した
※ 調査に際して、2021年4月7日時点で登録のあった「新電力会社」706社を定点として、これまで5回の調査(2022年3月、6月、11月、2023年3月、6月)を行い、今回は6回目となる
最終更新日:3/28(木)15:04 帝国データバンク