都心などでランドマークとして知られる施設の閉鎖が相次いでいる。21日には人気テレビ番組の公開収録が行われていたことで有名な東京都新宿区のファッションビル「新宿アルタ」が、来年2月末の営業終了を発表した。多くは再開発や老朽化、消費者のライフスタイルの変化などが理由だ。「昭和ブーム」とも言える現象がある一方、名称を含めて〝レトロ感〟のある建物が姿を消していく。
■閉館理由は非公表
「営業終了により大変ご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳なく深くおわび申し上げます」
新宿アルタの公式サイトは21日付で「営業終了のお知らせ」を掲載。長年の愛顧に対する感謝と閉店を陳謝する言葉がつづられた。
JR新宿駅東口にある好立地のビルには商業施設やスタジオなどが入り、平成26年まで放送されたテレビ番組「森田一義アワー 笑っていいとも!」の収録場所として全国区の知名度を誇った。昭和55年の竣工(しゅんこう)から40年以上が経過。新宿アルタの担当者は今後について「どうするかや閉館の理由は公表していない」と述べるにとどめた。
商業施設に詳しいコンサルティング会社「やまき」(港区)の市川幸夫事業開発本部長は「老朽化が理由だろう。建て替えて自前で活用するか売却となるが、前者の場合は情報を出さないケースが多い」と話す。
■中野サンプラザ、東急百貨店本店も
昨年は半世紀の歴史を持つ商業施設が相次いで幕を閉じた。1月に渋谷区の東急百貨店本店が再開発のため営業を終了。今後、百貨店として復活するかどうかは未定という。
多くのミュージシャンやファンから「聖地」として愛されたコンサートホールなどが入る複合施設「中野サンプラザ」(中野区)は7月に閉館。一帯が再開発され、跡地に「NAKANOサンプラザシティ」が令和10年度に完成する予定だ。
大阪市中心部では「大阪マルビル」の建て替えが進む。独特な円形の外観などで知られ、7年開幕の大阪・関西万博用のバスターミナルとして敷地を使用後、12年に新ビルとして生まれ変わる。
■物販からエンタメへ
最終更新日:3/22(金)22:57 産経新聞