下請け事業者にタダ働きをさせていたなどとして、公正取引委員会は中古車販売大手の「ビッグモーター」とその子会社に再発防止を勧告した。
公正取引委員会によると、「ビッグモーター」とその子会社の「ビーエムハナテン」は、遅くとも2021年8月頃から、下請け事業者に対し、会社が行う環境整備点検の対策として、掃除や雑草の除去、展示車両のタイヤのワックスがけなどを無償で行わせていた。
また、当時の副社長が各店長に対し「出入りしてる業者の車は全てウチで購入、買取、車検を徹底させてください」と指示し、自社で車検を受けない下請事業者には出入りを禁止するとの本部からの指示が記載されたメッセージの画面を示し、自社で車検を受けさせていた。
公正取引委員会は、こうした行為が下請法に違反するとして再発防止を勧告した。
勧告には、弁護士等の有識者からなる独立した第三者による下請事業者からの申し出を受け付ける窓口を設置し速やかに措置を講じることや、下請事業者との取引方針を策定して公表することなどを求めていて、異例の内容が盛り込まれている。
また、ビッグモーターなどは、本来下請事業者と取引する際に必要な、下請代金の額、支払期日、方法などの必要事項が記載された書面を作成していなかったほか、事務処理の遅れを理由に下請代金の支払いを遅らせるなどの行為を行っていて、公取委は下請法違反にあたるとして指導を行った。
公取委は、「重大かつ異例とも言える規模で下請法違反が行われてきた事件」とした上で、ビッグモーターが「自社の営業を最優先とするあまり全社的に法令順守の意識が欠如していた」と指摘し、「事業再編を理由に、下請事業者が泣き寝入りをすることのないよう、今後もビッグモーターを監視し続ける」と強調した。
最終更新日:3/15(金)15:00 FNNプライムオンライン(フジテレビ系)