FNNプライムオンライン2024年の春闘は、ヤマ場となる集中回答日を迎えた。
物価高が続く中、過去最高水準の賃上げ回答が相次いでいる。
流通や外食などの業界の労働組合が集まるUAゼンセンの本部から、フジテレビ・智田裕一解説副委員長が中継でお伝えする。
UAゼンセンの本部は、わたしたちの暮らしに直接関わる業界で働く人たちの労働組合が集まる組織で、ボードには、ダイエーやそごう・西武、プリマハム、そしてすかいらーくというように百貨店・食品・レストランなどの労働組合の名前がずらりと並んでいる。
組合の数を合計すると、約186万人にもなり、こちらで賃上げがどのくらい広がりを見せるかが、2024年の春闘の行方を占う大きな鍵になる。
ボードの左側には、組合側が要求した賃上げ額や率、そして右側には「妥結」、つまり決着した数字が並んでいるが、右側の妥結の欄には「満額」という赤い字がずらりと並んでいて、軒並み組合の要求通りの数字で決着したということを記している。
13日午後3時50分現在も決着した数字を記入した作業が進んでいて、イオンの組合では満額ということで回答があったということになっている。
また、担当者もこんなに満額の文字が並んだことはこれまでなかったというふうに驚いていて、物価高と人手不足が続く中、働く人に安心感を広げることで人材の確保につなげたい、そんな経営側の強い思想が見てとれる。
そして、UAゼンセンによると、3月4日時点で賃金の底上げをするベースアップ分の賃上げ率は、正社員の平均で5.15%になっている。
一方、全国に先駆けて公表される2月の東京23区の物価上昇率は2.5%で、物価上昇分を大きく超える賃上げ水準となっている。
そして、正社員とパートを比べると、定期昇給分も入れた数字で正社員が6.70%なのに対して、パートは7.03%と、正社員を上回る引き上げ率となっている。
パートタイムの方が高くなっている理由は、正社員と比べた待遇面での格差を是正するために、パート従業員の方の賃上げ率をより高くしようという機運が強まっているから。
そして、今後の焦点が、経営規模がより小さい中小企業にも賃上げが広がるかどうか。
そして、それは賃金の上昇分を商品やサービスの価格にきちんと上乗せして値上げできる環境が整えられ、賃上げへの余力が持てるようになるかどうかにかかっている。
小さな事業者にも波が波及し、賃金上昇の流れが途切れることなく続いていけるのか、今後の大きなポイントになるとみられる。
最終更新日:3/13(水)21:34 FNNプライムオンライン(フジテレビ系)