ごま油価格巡り 4社カルテル疑い

ごま油の価格でカルテルを結んだ疑いが強まったとして、公正取引委員会は13日、ごま油メーカーの▽かどや製油(東京都品川区)▽竹本油脂(愛知県蒲郡市)▽九鬼産業(三重県四日市市)▽日清オイリオグループ(東京都中央区)――を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。関係者への取材で判明した。



 関係者によると、4社はごま油の卸業者向け販売価格についてカルテルを結び、複数回にわたって一斉に引き上げていた疑いが持たれている。大口顧客との価格交渉についても、値下げに応じないよう4社で示し合わせていた可能性があるという。

 ごま油の市場規模は年間450億円程度。4社による寡占市場で輸入品もほとんどない。半面、流通・小売り側からの値下げ圧力が強い業界構造になっており、カルテルが成立しやすい構造になっていたとされ、古くから続いてきた疑いがあるという。

 また、近年は原料となるごまの輸入価格が上昇している。生産コストが上がる中、値下げ競争に陥ることを避けたいメーカー側の思惑がカルテルの背景にあったと公取委はみている模様だ。

 立ち入り検査を受け、竹本油脂と日清オイリオは「調査に全面的に協力する」とコメント。かどやと九鬼は「詳細が把握できていない」などとしてコメントしなかった。

 公取委は近年、原材料価格や労務費の上昇が下請け業者に対する減額圧力につながらないよう警戒を強めており、適正な価格転嫁を促している。ある公取委の関係者は「だからといって、ライバル業者同士が手を組んで価格を上げるカルテルが許されるわけではない」と指摘している。【渡辺暢】

最終更新日:3/13(水)17:42 毎日新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6494579

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